公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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錆びたのこぎりで指を切った。浅い創で処置をしたが、破傷風を発症しないか?(一般)
疾病・治療法
年月 2017年6月 

破傷風は、破傷風菌(Clostridium tetani)が産生する破傷風毒素により発症する感染症である。破傷風菌は土壌中に芽胞の形で存在しており、創傷から侵入した芽胞が発芽、増殖して破傷風毒素を産生する。潜伏期は一般的に3~21日間程度で、開口障害、痙笑(表情筋の痙攣による)、嚥下困難等の症状で発症し、後弓反張、強直性けいれん、呼吸困難に移行して、重篤な場合は呼吸筋麻痺による窒息死に至ることがある。創傷後に破傷風を発症するか否かを予想することは困難であり、わが国では破傷風ワクチン(破傷風トキソイド)および抗破傷風ヒト免疫グロブリン(TIG)の投与基準は明確なものがない。しかし、軽微な創傷による発症例や、 感染経路が不明の例もあり注意が必要である。米国ではAmerican College of Surgeons(ACS)が、破傷風を起こす可能性があるか否かを判定できるように、創部の性状から基準を作成している。破傷風を起こす可能性の高い創傷は、受傷後時間が経過しているもの、創面に異物等を認め、壊死組織や感染徴候のあるもの、 創の深さが1cmを越えるもの、 神経障害や組織の虚血を合併しているもの等である。創傷後に破傷風トキソイドやTIGを投与するかは、創部の状態に加えて受傷者が破傷風に対する抗体を有するかもあわせて考慮する必要がある。

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