質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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慢性膵炎の腹痛に対する薬物療法は?(病院薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2014年2月 |
慢性膵炎は腹痛発作を繰り返しながら、膵の腺房細胞の脱落と線維化が進行し、検査上、膵管系の形態異常と膵の内外分泌障害が進行していく疾患である。
(腹痛の機序)
膵の炎症に伴う膵内知覚神経の刺激、炎症や膵腫大による被膜の伸展、膵管狭窄や膵石・蛋白栓形成等が膵液流出障害を起こし、それによる膵管内圧の上昇等。
(腹痛時の治療薬)
NSAIDs、COMT(Catechol‐o‐methyl‐transferase)阻害薬、抗コリン薬等が有効とされている。タンパク分解酵素阻害薬は慢性膵炎の腹痛に有効とされるが、エビデンスの集積が必要。消化酵素薬は、常用量では腹痛軽減効果はないが、大量投与では有効性を示す可能性がある。
- NSAIDsが無効な高度の腹痛時は、最小限で麻薬等の中枢性鎮痛薬を使用(保険適応外使用)
- COMT阻害薬(フロプロピオン)はオッジ括約筋の緊張を除き膵管内圧の上昇を防止する
- 抗コリン薬(ブチルスコポラミン等)は迷走神経を介した膵外分泌刺激を抑制する