公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。

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酪酸菌製剤は、フルオロキノロン(ニューキノロン)系抗菌薬服用時の腸内細菌叢の異常による諸症状の改善に使用できるか?(薬局)
疾病・治療法
年月 2013年1月 

抗菌薬投与による腸内細菌叢の異常による諸症状の改善には耐性乳酸菌製剤が用いられるが、現在汎用されている耐性乳酸菌製剤の適応は「抗菌薬(ペニシリン系、セファロスポリン系、アミノグリコシド系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ナリジクス酸)投与時の腸内細菌叢の異常による諸症状の改善」であり、フルオロキノロン系抗菌薬(FQs)に対する感受性は不明確で、適応を有さない。酪酸菌(Clostridium butyricum)の感受性試験では、最小発育阻止濃度(MIC)については、発芽状態の酪酸菌はFQsに感受性であったとの報告がある。しかし、MICの菌液を希釈して酪酸菌の発育の有無を観察した試験では、酪酸菌の再増殖が確認され、またレボフロキサシンの酪酸菌に対するMICにおいては、酪酸菌の芽胞形成が確認されている。したがって酪酸菌は、FQsに暴露されても芽胞として生存し、消化管内のFQs濃度が低下すると再び発芽・増殖し、整腸剤としての機能を回復すると考えられる。酪酸菌を有効成分とする生菌整腸剤(ミヤBM等)は、人為的に耐性を付与されていないが、芽胞形成菌であるためFQsの影響を受け難く、耐性乳酸菌製剤が臨床的に無効な場合の代替製剤になり得ることが示唆される。
(金子尚文ら:YAKUGAKU ZASSHI 132(7),849,2012.より)

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