公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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アロマターゼ阻害薬のフェマーラ(レトロゾール)を不妊症治療に使用するか?(薬局)
疾病・治療法
年月 2013年9月 

アロマターゼ阻害薬(AI)は閉経後乳がん治療薬であるが、卵胞期初期に投与し不妊症治療の排卵誘発剤としても使用される(保険適応外使用)。フェマーラは一般に、月経周期の3~5日目から5日間服用する。AIの排卵誘発機序には、中枢性作用と末梢性作用がある。

中枢性作用

機序:AIは、卵巣のエストロゲン合成酵素のアロマターゼを阻害してエストロゲンを減少させる結果、エストロゲンによるゴナドトロピン抑制(ネガティブフィードバック)を解除するため、卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌が亢進し、卵胞の発育を促進する。

標準的な排卵誘発剤のクロミフェン(クロミッド等)の血中半減期は5~7日で、投与終了後もネガティブフィードバックが抑制されるため、FSHの上昇が持続し、多数の卵胞が発育して過排卵となる。一方、フェマーラの血中半減期は68.6±36.7時間と短く、投与終了後にはネガティブフィードバックが作動して、最終的には単一卵胞排卵となる。

末梢性作用

機序:AIにより、アンドロゲンが卵巣に蓄積する。アンドロゲンはエストロゲンの前駆物質で、卵胞のFSHに対する感受性を高め、卵胞の発育を促進する。

全身のエストロゲン低下により、子宮内膜のエストロゲン受容体が増加してエストロゲン感受性が高まり、子宮内膜増殖が促進されるため、子宮内膜の菲薄化が生じにくく、妊娠率が高い。

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