質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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シアリスは前立腺肥大症患者の排尿障害に効果があるか?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2013年10月 |
シアリス(タダラフィル)はホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬で、勃起障害に使用されている。ヒト前立腺組織において、一酸化窒素(NO)が前立腺平滑筋の弛緩に関して生理的役割を担っている。一酸化窒素合成酵素(NOS)により産生されたNOが、平滑筋細胞内の可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することで、GTPからCyclic GMP(cGMP)の生産が増加して平滑筋が弛緩する。cGMPはPDEによって分解されるが、ヒト前立腺組織にはPDE1、2、4、5、7、9、10が存在する。したがってヒト前立腺におけるこれらPDEの阻害は、cGMPを増加させて前立腺平滑筋の弛緩を惹起すると考えられる。PDE5阻害薬により、勃起障害と前立腺肥大症(BPH)による下部尿路症状を有する男性の両症状に対する有用性が示された報告があり、2012年に米国で前立腺肥大症への使用が認可された。日本では日本新薬が「BPHに伴う排尿障害」の適応で承認申請中である。