質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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77歳女性。排尿時痛があり、萎縮性膣炎で女性ホルモン剤が処方されたが、効果は?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2012年2月 |
萎縮性(老人性)腟炎は、卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)が減少して腟粘膜が萎縮し、また腟内のpHが上昇して酸性からアルカリ性に傾き自浄作用が低下するために起こる炎症である。閉経後や更年期の女性に多く、腟や外陰部の違和感、かゆみ、痛み、黄色っぽいおりもの、不正出血、性交痛等が生じる。また、女性ホルモンの減少は尿路系組織(尿道粘膜、粘膜下組織等)の萎縮も起こすので、排尿時の痛み、尿失禁、血尿、膀胱炎等が起こることがある。治療は女性ホルモン剤(内服剤、貼付剤、腟錠、クリーム)の投与が行われる。
※女性ホルモンは腟上皮細胞中にグリコーゲンを蓄積する役割を有している。剥離したグリコーゲンはブドウ糖に分解され、腟内の乳酸桿菌(デーデルライン桿菌)によりブドウ糖から乳酸に変化して腟内のpHを酸性に保持し、酸性環境に弱い病原微生物の増殖を抑制している。これを腟の自浄作用と言う。