質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
質疑・応答検索
相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。
※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。
がん患者の呼吸困難に対するモルヒネの作用機序と使用法は?(薬局)
疾病・治療法 |
|
年月 | 2018年12月 |
呼吸困難に対する作用機序は十分に解明されていないが、呼吸困難の中枢神経系での知覚の低下、延髄呼吸中枢のCO2に対する感受性の低下や呼吸リズムを抑制し呼吸数を減少させることによる呼吸仕事量の軽減、有効な深呼吸の確保、抗不安効果等が関与していると想定されている。モルヒネの鎮咳作用は、延髄の咳中枢に作用し、気道からの一次求心性神経の興奮伝達を抑制することによる。
医薬品名 | 標準的な処方例 |
---|---|
モルヒネ (強い推奨、中等度のエビデンス) |
【経口】 呼吸困難時に内用液剤など速放性製剤5~10mgを頓用あるいは10~20mg/日から徐放性製剤等で開始し、適宜増量。 【注射】 呼吸困難時に2~3mgを静注または皮下注あるいは5~10mg/日から持続静注または皮下注を開始し、適宜増量。 【坐薬】 呼吸困難時に5~10mg坐薬を開始し、適宜増減。 |
オキシコドン (弱い推奨、弱いエビデンス) |
腎機能障害合併例やモルヒネによる有害事象等でモルヒネの全身投与が困難な場合に、モルヒネの代替薬として提案する。 【経口】 呼吸困難時に速放性製剤2.5~5mgを頓用あるいは10~20mg/日から徐放性製剤等で開始し、適宜増量。 【注射】 呼吸困難時に2~3mgを静注または皮下注あるいは5~10mg/日から持続静注または皮下注を開始し、適宜増量。 |
コデイン (弱い推奨、弱いエビデンス) |
オピオイドナイーブ(オピオイド未使用の状態)の患者に対して、初回のオピオイド導入時などに、モルヒネの代替薬として使用する場合もある。 【コデイン】 1回10~20mgを4~6時間毎に経口投与。120mg/日まで増量しても効果不良の場合、モルヒネ20mg/日あるいはオキシコドン5~10mg/日へ変更。 【ジヒドロコデイン】 1回10mgを1日3回経口投与。 |
(がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン2016年版より)