質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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低血圧の分類と治療薬の特徴は?(薬局)
疾病・治療法 |
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年月 | 2020年5月 |
血圧が低いことがそのまま病的な状態とは限らないので明確な診断基準はないが、WHOでは世界共通の基準として、収縮期血圧100mmHg以下または拡張期血圧60mmHg以下を低血圧としている。低血圧症は、①本態性低血圧(原因不明)、②症候性(二次性)低血圧(原因疾患が明確)、③起立性低血圧、④神経調節性低血圧(過剰な緊張やストレス等)、⑤状況下低血圧(食事性低血圧)の大きく5つに分類される。
無症状の場合がほとんどだが、動悸、失神、易疲労感とともに脳灌流圧低下に伴うめまい等を自覚することがある。無症状や軽症例では生活習慣の改善、ゆっくり起き上がる、弾性ストッキングの使用等の非薬物療法が中心となり、症状がある場合に薬物療法の対象となる。
分類 | 成分名(主な商品名) | 特徴 |
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NA代謝阻害・再取り込み抑制薬 | アメジニウムメチル硫酸塩 (リズミック) |
モノアミン酸化酵素(MAO)を抑制し、カテコラミンの代謝を阻害するとともに、神経終末へのNA再取り込みを抑制し、NAの作用を増強する。 |
α1刺激薬 | ミドドリン塩酸塩 (メトリジン) |
末梢血管収縮により、血圧を上昇させる。 起立性低血圧等の交感神経活動による血管抵抗が不十分な場合に適する。 |
α1β1刺激薬 | エチレフリン塩酸塩 (エホチール) |
心拍出量および分時拍出量を増加させて血圧を上昇させ、末梢血管抵抗を減弱してその循環を改善する。 |
NA補充・分泌促進薬 | ドロキシドパ (ドプス) |
NAの前駆物質で、芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素によりNAに変換される。NAの補充・分泌促進を介して、末梢の交感神経機能を賦活する。 アメジニウムを併用すると交感神経末端への取り込みが抑制されて効果が増強する。 |
ミネラルコルチコイド | フルドロコルチゾン (フロリネフ) |
循環血漿量を増加させる。 水・電解質補給に加え、考慮する。保険適応外使用。 |
NA:ノルアドレナリン