質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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不妊治療の体外受精でボルタレン坐剤を使用しているが、なぜか?(一般)
疾病・治療法 |
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年月 | 2020年10月 |
排卵におけるプロスタグランジン(PG)の役割は、PGF2αは卵胞破裂に関与し、さらにPGF2αの増加は、排卵するための卵巣収縮の増強にも関与している。また、PGE2は卵胞内各層の改造に作用して、黄体形成を終了させることが報告されている(動物実験、豚)。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の標的分子であるシクロオキシゲナーゼ(COX)2は、炎症部位だけでなく排卵前期の卵胞にも発現しているが、NSAIDsはPG合成を阻害するため、排卵を間接的に抑制する。
不妊治療(体外受精)では、採卵時に排卵直前の卵子を採取するため、卵胞が成熟し、排卵誘発剤を使用後、採卵時までの排卵防止を目的にNSAIDsが使用されることがある(保険適応外使用)。
NSAIDs(内服、坐剤、注射)の添付文書には、『その他の注意』として、「NSAIDsを長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある」と記載されている。