質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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バルプロ酸ナトリウムの投与量を増加しても血中濃度が上昇しない理由は?(薬局)
薬効・薬理、体内動態 |
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年月 | 2022年4月 |
バルプロ酸は蛋白結合率が高く(90%超)、主にアルブミンと結合している。薬物が蛋白に結合する場合には飽和が生じるが、バルプロ酸では臨床治療域に飽和が観察される。バルプロ酸の投与量を増加して血中濃度が約100μg/mLを超えると、蛋白結合率に飽和が生じ、蛋白に結合できない遊離型バルプロ酸が増加する。遊離型バルプロ酸は、速やかに組織に移行するため分布容積が増大し、また、肝臓に移行したバルプロ酸は速やかに代謝を受けるためクリアランスも増大し血中濃度は上昇しにくくなる。ただし、むやみに増量すると血中濃度は上昇しないにもかかわらず、組織中の濃度が上昇して中毒を引き起こすことになる。低アルブミン血症の場合も、投与量を増加しても血中濃度が上昇しにくい。