質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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デパケンR錠を服用中の患者の便中に、錠剤がそのまま出てきたが吸収に問題ないか?(薬局)
薬効・薬理、体内動態 |
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年月 | 2011年12月 |
デパケンR錠はマトリックスを核とし、その上を徐放性皮膜でコーティングした糖衣錠である。外側の糖衣は消化管内で短時間に消失し、有効成分のバルプロ酸ナトリウム(VPA)が水に不溶のマトリックスから5時間で50%放出されるように製剤設計されている。従って、約10時間は消化管内に滞留する必要があり、10時間以上を経過していれば、糞便中に見られる白色残渣は主薬が放出された後の抜け殻で、VPAの吸収には問題ない。実際に、糞便中に錠剤の形状を保持したまま残渣が排泄された症例について、回収した錠剤の残渣のVPA残存率を測定した結果、約10%残存の1例を除き、全て1~5%であった。しかし、激しい下痢症状を伴っている場合は、VPAが十分吸収されないうちに残渣が糞便中に排泄される懸念があり、一時的に普通錠(デパケン錠)等を使用する方法もある。