公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。

※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。

消毒に使用できるアルコールは何があるか?(医師) 
消毒方法等
年月 2020年3月 

アルコールとは、脂肪族炭化水素の水素原子を水酸基で置換した化合物の総称で、狭義にエタノール(エチルアルコール)の略称として用いることがある。エタノールは化学工業用原料、溶剤、燃料、医薬品等に用いられる。消毒に使用できるアルコールは、イソプロピルアルコール(イソプロパノール)、エチルアルコール(エタノール)がある。メタノールは消毒に使用できない(表)。
また、工業用アルコールの用途は工業用であり、ヒトには使用できないが、新型コロナウイルス感染症に伴う医薬品及び医薬部外品の手指消毒用エタノール不足により、やむを得ず使用する場合に限り、高濃度エタノール製品を代替として手指消毒に用いることは差し支えないとされている。その場合は、メタノールが含まれないものであり、原則70~83vol%の範囲内で使用する(令和2年3月23日、4月10日、4月16日 厚生労働省事務連絡)。

新型コロナウイルスに対しては、60%台のエタノールによる消毒でも一定の有効性があると考えられる報告があり、70%以上のエタノールが入手困難な場合には、60%台のエタノールを使用した消毒も差し支えないと考えられる。ただし、エタノールは一般的に開封後に濃度が低下しやすいことに留意する(厚生労働省:新型コロナウイルスに関するQ&A(医療機関・検査機関の方向け)令和2年4月22日時点版)。

用途 成分 濃度 用法・特徴

(医療用医薬品の適応)
・手指・皮膚の消毒
・手術部位(手術野)の皮膚の消毒
・医療機器の消毒



イソプロパノール 50vol%
70vol%
94vol%以上
99vol%以上
イソプロパノールとして50~70vol%を塗布。
消毒用エタノールと同等の効果(ロタウイルスやアデノウイルスには効果は弱い)。安価だが、毒性や脱脂作用は消毒用エタノールより強い。
エタノール 95.1~96.9vol% 830mLを精製水で薄めて、1,000mLとして塗布。
消毒用エタノール 76.9〜81.4vol% そのまま塗布。
無水エタノール 99.5vol%以上 精製水で薄めて、エタノールとして76.9〜81.4vol%として塗布。
(工業用)
機械の洗浄等
メタノール 約99.8% 消毒として使用できない。眼、皮膚、気道に対して腐食性を示す。中枢神経系に影響を与え、頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、視力障害等が生じる。

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