公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。

※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。

次亜塩素酸ナトリウムをキッチンペーパーに含浸させて清拭消毒してもよいか?(薬局)
消毒方法等
年月 2020年6月 

キッチンペーパーの素材は主に「パルプ」と、コットン等の「不織布」に分類される。100%パルプ素材の製品で、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の濃度が低下した報告があり(下記)、キッチンペーパーやティッシュペーパーに含浸させて使用することは避けた方がよい。
〔NaClOを含浸させた環境清拭クロスの残留塩素濃度の検討〕
(方法)汎用の環境清拭クロス(素材:キュプラ100%、パルプ+ポリプロピレン、水解性パルプ、パルプ100%)に、希釈したNaClO(1,000ppm、3,000ppm、5,000ppm)を含浸させ、経時的(1分、5分、10分、30分、60分後)に残留塩素濃度変化を測定。
(結果)クロスの素材やNaClO濃度に関わらず、残留塩素濃度は経時的に低下した。調製時が1,000ppmの場合の塩素残存率は、パルプ+ポリプロピレンの混合素材は含浸30分後でも94.6%を維持したが、100%パルプの製品は、含浸後1分で65.0%に低下し、他製品に比べ残存率の低下が大きかった。調製時が3,000ppm、5,000ppmでも同様の傾向であった。
(考察)NaClOは、有機物と接触すると不活化される。パルプの主な原料は木材で、生成過程で有機物は除去されるが、除去しきれなかったリグニン(木材の繊維同士を接着する物質)がパルプに残存しているのが不活化の原因ではないかと考えられる。なお、以上の理由から、被消毒表面がベニヤ板(合板)等の木製の場合も、NaClOによる消毒は不適切である。

(小林義正ら:医療関連感染 8(1),17,2015.より)

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