公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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マクロライド系抗菌薬の副作用に難聴はあるか?(一般)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦
年月 2022年10月 

一般に第8脳神経障害と呼ばれる聴覚障害は、神経というより内耳の障害である。内耳には、聴覚の受容器である蝸牛と平衡感覚の受容器である前庭がある。蝸牛を障害されると耳鳴や難聴を、前庭を障害されるとめまいを訴える。
マクロライド系抗菌薬のエリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、ロキシスロマイシンで難聴が報告されている。
エリスロマイシンによる難聴の発症機序は未だ十分に解明されていないが、4g/日以上(承認用量外)の高濃度の静脈内投与例に多く見られる(頻度不明)。腎障害または肝障害を基礎疾患として持つことが多いが、肝腎障害がない例での経口投与(1.5g/日)1日後に難聴が出現した例も報告されている。
アミノ配糖体系抗生物質による難聴が高音障害から始まるのに対して、エリスロマイシンによる難聴は、初期から高音域はもちろん可聴域レベルも障害されるのが特徴である。難聴はエリスロマイシンの投与を中止すれば大部分例で6~14日以内に回復するが、不可逆性難聴例も報告されている。また、難聴とともに前庭障害や構音障害、複視、急性の精神障害を伴った症例も報告されている。

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