質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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スルピリドによるパーキンソニズムは、服用中止後どのくらいで消失するか?(一般)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2023年3月 |
スルピリドはドパミンD2受容体遮断作用により薬剤性パーキンソニズム(Drug-induced parkinsonism:DIP)を起こす。統合失調症患者におけるスルピリドによるDIP発症頻度は、コクランレビューを用いたメタ解析では29.3%である。DIPは一般に抗精神病薬では投与開始から数日~数週間で現れることが多く、約90%が20日以内に発症するとされている。
発症したDIPは、原因薬剤の中止により可逆的に改善し、ほとんどは中止から2~3ヶ月で症状が消失するが、時には6ヶ月ほどかかることもある。また、原因薬剤を長期投与した場合には不可逆となり、投与を中止しても一部症状が残ることがある。原因薬剤の中止、減量、他薬への変更で改善しない場合、レボドパ、アマンタジン、抗コリン薬等の投与を検討するが、DIPに対しどこまで治療効果が期待できるのかは不明な点が多い。
表 薬剤性パーキンソニズムとパーキンソン病の違い
薬剤性パーキンソニズム | パーキンソン病 | |
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症状の出現の仕方 | 両側性 | 片側性、右側または左側 |
経過 | 原因薬剤の中止で改善する | 緩徐進行性 |
振戦 | 動作時に出現 | 安静時に出現 |
特徴的な所見 | 口唇ジスキネジアやアカシジアの合併がある | 口唇ジスキネジアやアカシジアの合併はない |
抗パーキンソン薬への反応 | なし | あり |
画像診断(DAT-SPECT) |
正常 | 低下 |