質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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ロスバスタチン(クレストール)を服用後、肝機能値検査値が上昇した。MRI等では異常なく、医師から中止の指示もないが、服用を継続して大丈夫か?(一般)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2024年1月 |
「スタチン不耐に関する診療指針2018」におけるロスバスタチンによる肝障害の概要は以下の通り。
(肝障害概要)軽度で無症状の肝酵素の上昇を1~3%で生じるが、ALT正常上限値の3倍を超える上昇はプラセボと同等の0.2%である。用量の多い方がALT上昇を起こしやすい(40mgで2.2%)。多くの場合、用量を変更せずに一過性に回復する。臨床上顕性化するものは1/10000人年と稀である。多くは投与開始後2~4ヶ月で生じ、肝細胞障害型が多い。発疹、発熱、好酸球増多は稀。海外では、自己免疫性肝炎様の症例が報告されている。
(管理)軽度のALT上昇は、一過性で用量変更せずに回復する。ALT正常上限値の10倍以上、あるいは5倍以上が続く場合は、投薬中止とする。顕性の肝障害も一過性のことが多く、1~2ヶ月で回復する。再投与は薦められない。自己免疫性肝炎ではステロイドを投与する。ALT上昇する症例の割合は4.5%(インタビューフォームより)。日本における急性肝不全の報告はない。