公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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抗がん薬による副作用の手足症候群の症状とその治療法は?(薬局)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦
年月 2011年1月 

手足症候群(Hand-Foot Syndrome)は、主にフッ化ピリミジン系薬(カペシタビン、テガフール・ウラシル等)やキナーゼ阻害薬(ソラフェニブ、スニチニブ)等の抗がん薬にみられる副作用で、発現頻度が高く、歩行困難など日常生活に障害を来すほどの重篤な臨床症状を呈することがある。重篤化を防ぐには早期診断と適切な初期対応が重要である。好発部位は両側性の手足の反復した物理的刺激が起こる部位であるが、フッ化ピリミジン系薬とキナーゼ阻害薬の初期の皮膚所見は異なる場合がある。

 

フッ化ピリミジン系薬

キナーゼ阻害薬

症状(初期)

しびれ、チクチクまたはピリピリするような感覚の異常で、視覚的な変化を伴わない。皮膚変化は比較的びまん性の発赤(紅斑)で、進行すると皮膚表面に光沢が生じ、指紋が消失する傾向があると次第に疼痛を訴える。

限局性の紅斑・腫脹で始まることが多く、通常、疼痛を伴う。

症状(進行)

色素沈着・色素斑、手掌や足底の角層の肥厚・落屑・亀裂、進行する水疱・びらん・潰瘍を生じる。しばしば爪甲の変化を伴う。

発症機序
(不明確)

皮膚基底細胞の増殖阻害、エクリン汗腺からの薬剤分泌、フルオロウラシルの分解産物の関与

皮膚基底細胞や皮膚血管等への直接的作用

治療法

症状により休薬や減量するとすみやかに改善する(カペシタビンは休薬や減量で有効性は損なわれない)。
治療は未確立。対症療法で保湿を目的とした尿素軟膏、ヘパリン類似物質含有軟膏、ビタミンA軟膏、白色ワセリン、副腎皮質ステロイドの外用薬等を使用する。腫脹が強い場合は四肢の挙上と手足の冷却が有効である。びらん・潰瘍には病変部を洗浄し、白色ワセリンやアズレン含有軟膏で保護する。2次感染には抗生物質(内服、外用)も考慮する。ビタミンB6(ピリドキシン)内服が有効との報告もあるが、確立されていない。痛みには冷やす(冷水浴)。

予防法
(生活指導)

物理的・熱刺激を避ける、皮膚の保護、2次感染の予防、直射日光に当たらない等。長時間または反復して同じ部位に刺激がかからないようにする。

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