質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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βブロッカーによるレイノー現象の発現リスクは、薬剤により差があるか?(薬局)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2016年12月 |
レイノー現象(レイノー病)は、寒冷や情動的ストレスに反応して手の各部に起こる血管攣縮で、1本以上の指趾(時に鼻、舌等の先端部)に可逆的な不快感および色の変化(蒼白、チアノーゼ、紅斑またはその組み合わせ)を起こす。βブロッカーによるレイノー現象は、β2遮断作用とそれに伴う相対的なα受容体優位によって末梢血管が収縮して循環不全をきたすことが原因とされ、β1選択性の薬剤は発現リスクが低い。また、ISA(内因性交感神経刺激作用)を有する薬剤も発現リスクは低いとされる。57,026名の患者データのランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスでは、ISAのないアテノロールとプロプラノロールは末梢血管収縮のリスクがプラセボより高かったが、ISAを有するピンドロール、アセブトロールとオキシプレノロール(本邦未発売)はそうではなかったとの報告がある(Khouri C et al.:Br J Clin Pharmacol 82(2),549,2016.)。