公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。

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農薬のNCSの中毒情報は?(薬局)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦
年月 2014年12月 

NCS(N-メチルジチオカルバミン酸アンモニウム)は、ジチオカーバメート系のカーバム剤で、土中で水に触れてメチルイソチオシアネート、硫化水素、二硫化炭素(CS)を発生し、殺菌・殺虫・殺線虫・除草効果を示す。

構造式

毒性機序

①生体内でメチルアミンとCSとなる。菌体内の金属とキレート結合し、SH酵素系を阻害する(カーバメートという名がつくが、カーバメート系殺虫剤と違い、コリンエステラーゼ阻害作用はない)
②アセトアルデヒド脱水素酵素阻害作用(アンタビュース作用を有する。曝露後、アルコール飲料の摂取は2週間避ける)

毒性

人体に対する毒性は比較的低い
ラット(経口)LD50:雄 412㎎/㎏、雌 402㎎/㎏

中毒症状

経口:CSが発生するので、中毒症状はCS中毒に類似
大量服用の場合:消化管に対する刺激が強く、悪心、嘔吐、腹痛、下痢が起こり、体外排泄が自然に行われる。また、腎炎症状として顔面のむくみや血尿を起こす。その他、運動失調、過剰興奮、めまい、衰弱等
皮膚症状:発疹、掻痒感、アレルギー性皮膚炎(太陽光線により増悪)
眼症状:角膜炎、結膜炎
呼吸器症状:咽頭痛、咳嗽、喀痰

処置

大量服用の場合:胃洗浄、吸着剤や下剤の投与、輸液、対症療法を行う。酒類、牛乳、油脂は投与禁忌(吸収を早めて毒性を高める)
皮膚症状:副腎皮質ステロイド軟膏塗布、抗ヒスタミン薬の投与。皮膚をアルコールで拭かない
眼症状:ヒアレイン点眼液、フラビタン眼軟膏、抗菌薬点眼薬

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