質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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β-カロテンのサプリメントは、喫煙者など肺癌リスクがある人の肺癌リスクを上昇させるのか?(薬局)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2018年9月 |
肺癌リスク者に対する、フィンランドで行われたβ-カロテン、α-トコフェロールによる癌防止(ATBC)試験、および米国で実施されたβ-カロテンとレチノール効果試験(CARET)において、β-カロテンのサプリメント摂取群で、肺癌リスクが上昇した報告がある。ただし、試験の結果はβ-カロテンのサプリメントに限って示されたもので、緑黄色野菜などβ-カロテンやその他のカロテノイドが豊富に含まれている食品についての結果ではない。
(CARET試験)
対象:肺癌リスク者〔アスベスト曝露、現在喫煙者、過去喫煙者(禁煙から6年超)、喫煙は少なくとも20箱/年〕
試験:β-カロテン30mgとパルミチン酸レチノール25,000IUのサプリメントまたはプラセボを毎日服用する群に割り付け、平均4年間、試験後6年間追跡調査した。試験後追跡期間におけるサプリメント群のプラセボ群に対する肺癌発症の相対リスク(RR)と95%信頼区間(95%CI)は下表のとおり。
対象者(人) |
試験後追跡期間 |
試験期間 |
|||
---|---|---|---|---|---|
サプリメント群 (人) |
プラセボ群 (人) |
RR(95%CI) |
RR(95%CI) |
||
アスベスト曝露(3,693) |
61 |
66 |
0.92(0.65-1.30) |
1.40(0.95-2.07) |
|
喫煙者全体(13,447) |
315 |
245 |
1.18(0.99-1.39) |
1.23(0.96-1.56) |
|
内訳 |
現在喫煙者(7,000) |
198 |
153 |
1.22(0.98-1.51) |
1.42(1.07-1.87) |
過去喫煙者(6,447) |
117 |
92 |
1.11(0.85-1.47) |
0.80(0.48-1.31) |
|
男性(7,440) |
188 |
157 |
1.08(0.87-1.34) |
1.25(0.91-1.73) |
|
女性(6,007) |
127 |
88 |
1.33(1.01-1.75) |
1.19(0.82-1.72) |