質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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熱性けいれんの既往がある小児に、注意が必要な薬は何か?(一般)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2019年1月 |
「熱性けいれん診療ガイドライン2015」では、熱性けいれんの既往がある小児に対し、鎮静性抗ヒスタミン薬※とキサンチン製剤の使用は推奨されないとしている(推奨グレードC:行うよう勧めるだけの根拠が明確でない)。
薬剤 | 推奨 |
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鎮静性抗ヒスタミン薬※ | 抗ヒスタミン薬自体が熱性けいれん発症率、再発率を上昇させるというデータはない。発熱性疾患罹患中における鎮静性抗ヒスタミン薬※使用は、熱性けいれんの持続時間を長くする可能性があり、推奨されない。 Takanoらは、抗ヒスタミン薬(シプロヘプタジン、ケトチフェン、クロルフェニラミン)使用群(23例)では、非使用群(26例)に比較し、有意に発熱からけいれんまでが短く、発作持続時間が長かったと報告した。 |
キサンチン製剤 | テオフィリン投与により熱性けいれん発症率、再発率が上昇するというデータはない。テオフィリン等のキサンチン製剤使用は、熱性けいれんの持続時間を長くする可能性があり、推奨されない。特にけいれんの既往を有する場合、3歳以下では推奨されない。また、鎮静性抗ヒスタミン薬※との併用は状態をより悪化させる可能性があり、推奨されない。 |
※鎮静性抗ヒスタミン薬:世代に言及せず鎮静効果のある薬剤という意味で論文には使用されている。脳内ヒスタミンH1受容体占有率を指標として、メキタジン、ジルテック、ポララミン、オキサトミド、ザジテン等がある。