公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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薬剤による麻痺性イレウスの症状と治療は?(一般)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦
年月 2019年4月 

薬剤による麻痺性イレウス(腸管運動麻痺)は、ムスカリン受容体遮断作用を有する医薬品、オピオイド鎮痛薬、抗がん剤、免疫抑制剤、α‐グルコシダーゼ阻害剤などで起こり、これらを複数内服する場合、リスクが高くなる。また、腸管運動が低下しやすい疾患や手術後、腹部手術歴がある場合などでは、麻痺性イレウスが発症しやすいと考えられる。
(副作用の好発時期)徐々に症状が出現する。投与後すぐにみられる場合と、一定期間投与を続けた後に発症する場合もある。
(自覚症状)徐々に出現する嘔気、嘔吐、著しい便秘、腹部膨満等の自覚症状を認める。腹痛は軽度であり、持続痛で疝痛は原則ない。
(他覚症状)腹部の膨隆、排便と排ガスの停止、腸管内ガスの増加、腸雑音の低下または消失等を認める。腹部の圧痛や打痛はなく、また発熱もみられないことが多い。
(治療)可能であれば直ちに被疑薬の投薬を中止する。診断が確定すれば、絶飲、絶食、補液、腸管運動改善薬(パントテン酸製剤、プロスタグランジンF2α製剤、ワゴスチグミン)の投与、胃管挿入など一般的な保存的治療で対応する。薬剤性の場合、医薬品の投与を中止すると治癒することが多い。腸管運動改善薬は、重篤な病態では腸管穿孔を誘発する可能性があるので注意する。腸管穿孔、腹腔内膿瘍などで内科的治療での回復が望めない場合には、速やかに外科的療法を選択する。

(重篤副作用疾患別対応マニュアル 麻痺性イレウス 平成20年4月 厚生労働省より)

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