質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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12歳未満のインフルエンザ罹患小児へのゾフルーザ投与は可能か?(薬局)
副作用、中毒、妊婦・授乳婦 |
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年月 | 2019年10月 |
日本小児科学会の2019/2020シーズンのインフルエンザ治療指針では、12歳未満の小児に対する積極的な投与を推奨していない。日本感染症学会も「低感受性株の出現頻度が高いことを考慮し、慎重に投与を検討する」と提言している。2019年10月時点で使用制限は設けられていないが、使用にあたっては耐性ウイルスの出現や伝播について注意深く観察する必要がある。
(理由1)
製造販売承認前の時点における12歳未満小児の検証は、体重10kg以上の小児107人のオープンラベル第Ⅲ相試験で対照群のない検討に限られ、小児の使用経験の報告が乏しい。
(理由2)
治療中にインフルエンザウイルスのポリメラーゼのPAサブユニットにおけるI38X変異を有する耐性ウイルスが出現し、変異ウイルスは主にA(H3N2)とA(H1N1)で検出されている。2016/2017シーズンに行われた治験における検討では、治療後3~9日に9.7%の患者検体で変異ウイルスが検出され、85.3%はウイルス量の一過性の増加が認められ、症状の増悪も10%前後に認められた。また、治療歴のない小児患者からの検出や、変異ウイルスの家族内伝播例も国内で報告されている。
(医薬品情報No.469 2019年6月号に掲載)