公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

相談内容をクリックすると回答内容がご覧になれます。

※相談内容を検索する際に、検索語に英数字が含まれる場合は、半角と全角の両方での検索をお試しください。

アスピリンや直接経口抗凝固薬(DOAC)を服用中の患者に、鼻出血等の止血目的でトランサミンやアドナを投与しても問題ないか?(薬局)
相互作用
年月 2023年10月 

(トランサミン(トラネキサム酸))
トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノゲンのフィブリンアフィニティー部位であるリジン結合部位と強く結合し、プラスミンやプラスノゲンがフィブリンに結合するのを阻止する。このため、プラスミンによるフィブリン分解は強く抑制される。従って、電子添文の特定の背景を有する患者に関する注意には、「血栓のある患者及び血栓症が現れるおそれのある患者は血栓を安定化するおそれがある」と記載されている。
しかし、以下の報告等から、実際にはトラネキサム酸の投与による血栓の危険性は低いと考えられる。
・血栓を起こしやすい状態である出産の際、トラネキサム酸を使った群(n=256)と使わなかった群
 (n=1,846)で、肺塞栓・深部静脈血栓症の発症率に有意差はみられなかった。

(Lindoff C, et al.:Thromb Haemost.70(2),238,1993.)

・多施設共同の無作為化比較試験において、外傷患者にトラネキサム酸を投与することにより死亡率
 が有意に減少したが、トラネキサム酸を使った群(n=10,060)と使わなかった群(n=10,067)と
 で、血栓症の発症率に差はみられなかった。

(CRASH-2 trial collaborators, et al.:Lancet.376(9734),23,2010.)

(アドナ(カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム))
カルバゾクロムスルホン酸ナトリウムは細血管に作用し、血管透過性亢進を抑制して血管抵抗値を増強する。血液凝固・線溶系に影響を与えることなく出血時間を短縮し、止血作用を示す。血栓を形成することはないため、血栓症が現れるおそれのある患者への使用は問題ない。

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