質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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TRACP-5bとは何か?(一般)
検査値・検査方法 |
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年月 | 2023年8月 |
TRACP(tartrate-resistant acid phosphatase:酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ)は、酸性pHでリン酸エステルを加水分解する酵素で、マクロファージ由来の5a型と破骨細胞由来の5b型が存在する。TRACP-5b(トラップ ファイブ ビー)は、破骨細胞による骨吸収の際に特異的に血中に分泌される骨吸収マーカーである。日内・日間変動が少なく、食事摂取の影響を受けないため、空腹時に検体を採取する必要がない。また、腎機能低下の影響を受けず、クレアチニン補正の必要もないため、高齢者に多い慢性腎臓病(CKD)併発者にも有用である。以下の疾患での臨床的意義が認められている。
1.骨粗鬆症の治療経過観察時の補助的指標
2.原発性副甲状腺機能亢進症の骨減少の病態把握
3.血液透析患者における骨減少の病態把握の補助的指標
4.骨転移(代謝性骨疾患や骨折の併発がない肺癌、乳癌、前立腺癌に限る)の診断における補助的指標
(基準値) 男性:170~590mU /dL 女性(YAM※1):120~420※2 mU/dL
※1:若年者成人平均値(30~40歳)
※2:健常閉経前女性(30~44歳)で確立された平均±1.96標準偏差の範囲、閉経後女性にも適用