質疑応答
質疑・応答をご覧になる方へ
福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。
県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。
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消化管内視鏡検査前処置に用いる薬剤は何があるか?(薬局)
検査値・検査方法 |
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年月 | 2023年10月 |
薬剤名 (主な商品名) |
目的 | 備考・注意点 | |
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消泡薬 | ジメチコン内用液 (ガスコン) |
消化管内部の気泡を消して観察しやすくする。 | ・軟便、胃部不快感、下痢、腹痛を起こすことがある。 |
鎮痙薬 | ブチルスコポラミン臭化物 (ブスコパン) |
検査中の消化管の蠕動運動を抑える。 | ・抗コリン薬のため、前立腺肥大症で排尿障害がある場合や閉塞隅角緑内障等に対しては禁忌。他の緑内障でも眼圧の上昇に注意が必要。 |
グルカゴン | ・ブチルスコポラミン臭化物の代替として用いるが、高血糖になることがあり、糖尿病および糖代謝異常が認められる患者へ用いる場合は注意が必要。 | ||
l-メントール (ミンクリア) |
・ブチルスコポラミン臭化物やグルカゴンの代替として用いる。 ・内視鏡時に胃内に直接投与。平滑筋の細胞膜上にある電位依存性L型カルシウムチャネルに結合し、カルシウムイオンの細胞内流入を遮断して、平滑筋を弛緩させる。 ・効果が認められない場合や蠕動運動が再開した場合は他の蠕動運動抑制薬を考慮する。 |
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局所麻酔薬 | リドカイン塩酸塩 (キシロカイン) |
経口法および経鼻法でのスコープ挿入時の苦痛を軽減。 | ・アレルギー反応や中毒症によるショック、発熱、痙攣などを起こすことがある。 ・アレルギー反応の予防のために、濃度の低い局所麻酔薬を使用する、あるいは局所麻酔薬を嚥下させず吐き出させることが必要。 |
鎮静薬 | ジアゼパム ミタゾラム ペンタゾシン 等 |
検査中の苦痛や不安を軽減。 | ・いずれの薬剤も中枢神経に作用して呼吸抑制をもたらすことがあるため、特に高齢者や呼吸器疾患を有する患者には注意が必要。 |