公益財団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


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エブランチルカプセルは簡易懸濁法で投与できるか?経管投与の方法は?(薬局)
調製法等
年月 2023年7月 

エブランチルカプセルは、ウラピジルを水不溶性ポリマーとアルカリ溶解性ポリマー(腸溶性ポリマー)でコーティングした徐放性顆粒をカプセルに充填した製剤である。胃内の酸性条件下では、ほとんど顆粒は溶解せず、小腸へ移行してpHが5.0~5.5以上になると溶解することにより徐放性が維持されている。
エブランチルカプセルの簡易懸濁法(錠剤やカプセル剤等の固形製剤をそのまま約55°Cのお湯に入れて崩壊・懸濁を待ち(最長10分)、懸濁した液をシリンジ等に充填しチューブから注入する方法)による投与は、薬物溶出性が変動するため不適である(下記薬物溶出性試験参照)。従って、脱カプセル後に顆粒をつぶさずに14Fr以上のチューブで経管投与する。顆粒を粉砕してしまうと、一過性のウランピジルの血中濃度上昇による副作用が起こるおそれがある。顆粒がシリンジ等内に残りやすいので、よく洗いながら注入する。
〔エブランチルカプセル簡易懸濁後による薬物溶出性試験〕
エブランチルカプセルをそのまま溶出試験装置のベッセル内(55°Cの第16改正日本薬局方溶出試験第1液(pH1.2)に入れた場合のウラピジルの溶出は遅く、溶出率は10分で4.4±1.0%、30分で15.2±2.7%、60分で28.3±1.1%であった。一方、55°Cの精製水を用いて簡易懸濁法を実施した際の溶出率は、10分で52.0±4.5%、30分で90.4±6.4%と著しい溶出促進が認められ、45分以降はほぼ100%が溶出した。 (櫻田渉ら:医療薬学 42(5), 350, 2016.より)

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