公益社団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

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抑肝散の坐薬の調製法は?(薬局)
調製法等
年月 2024年4月 

抑肝散の効能・効果は、「虚弱な体質で神経がたかぶる方の神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症」である。近年、認知症にともなう行動・心理症状や術後せん妄に対する有効性が報告されており、抑肝散の坐薬が、経口困難な術後せん妄等の治療に使用されることがある(保険適応外使用)。福島県立医科大学会津医療センター外科において、2011年9月~2012年11月に全身麻酔下で消化器外科手術施行227例(30~93歳、平均年齢69歳)を対象に、抑肝散坐薬を作成し術後せん妄に対する安全性効果を検討した報告1)がある。以下の方法により院内製剤として調製している。せん妄の程度がNスケール*19点以下となった時点で、第一選択として抑肝散坐薬2gを1日4回6時間毎に投与した。  
*Nスケール:NEECHAM Confusion Scale。認知・情報処理、行動、生理学的コントロールの3つのサブスケールから構成され、これらの合計ポイントでせん妄状態を評価する。合計ポイントは0~30点で、0~19点は中程度~高度の混乱・錯乱状態。

(処方)

抑肝散エキス顆粒 7.5g、ホスコH-15 適量、全量8g(1個2g)
(調製法
抑肝散エキス顆粒(ツムラ)をメノウ乳鉢で微粉化し100メッシュのふるいにかけた後、融解基剤であるホスコH-15に懸濁し、電子レンジで3分間加熱融解後、基剤と合わせて8gを4分割してコンテナへ注入する。抑肝散坐薬(1個2g)製剤として作成。4℃の冷蔵庫に保存する。

1)添田暢俊ら:日本腹部救急医学会雑誌 35(1),11-18,2015.

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