公益社団法人福岡県薬剤師会

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質疑応答

質疑・応答をご覧になる方へ


福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。

回答はその時点での情報による回答であり、また紹介した事例が、すべての患者さんに当てはまるものではないことにご留意ください。

県民の皆様は、ご自身の薬について分からなくなったなどの場合には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。相談しやすい“かかりつけ薬局”を持っておくのがよいでしょう。


質疑・応答検索

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ジゴキシン0.1%散から0.01%散を調製したい。乳鉢と乳棒を用いて混合する場合、何回くらい混和するとよいか?(薬局)
調製法等
年月 2024年4月 

散剤などの混和(混合)の度合いを評価する係数として、変動係数がある。試料中の着目成分含量の変動係数(C.V.:coefficient of variation)を混合度とし、着目成分の含量分布が正規分布するものとして、その90%が100±10%の範囲に収まるとした場合の変動係数は6.08%であることから、それ以下を混和良好とする。
(乳鉢・乳棒による散剤の混和(混合)の方法)1)
変動係数(C.V.)6.1%以下を得るためには、以下の手順で乳鉢・乳棒による混和を行う必要がある。
・ 秤量した散剤の凝集などを取るため、目開き500~355μmのふるいで篩過した後、乳鉢を手に持ち、乳棒を動かしながら乳棒を乳鉢の底面に垂直に保持し、乳鉢の中心から外側に10回、次いで逆回りに外側から中心に向かって10回を3回繰り返し混和する。混和回数はおよそ60回を目安とする。
・ 乳鉢の壁面に付着しやすい散剤の混合時には、混合途中に乳鉢を回転させたり、薬さじでかき落とすなどの操作が必要である。特に凝集しやすい散剤、吸湿性が高く流動性が悪い散剤は、篩過器を用いる。
・ 少量の散剤を大量の散剤に混合するなど配合比が異なる場合には、一度に両方の散剤を乳鉢に入れると混合ムラの原因となるため、少量の散剤とほぼ同じかさの散剤を大量の散剤から取り、まず混合した後、同様に等量ずつ取りながら混合を繰り返す。

(ジゴシン散0.1%の混和の場合)
混合後の均一性を調査した報告2)では、篩過せずに混和した場合、混和回数が80回でも変動係数は平均12%であった。従って主薬の均一性を得るためには、篩過を行った後に混和することが重要である。
理由:ジゴシン散0.1%は、結晶乳糖と粉末乳糖を3:1の割合で混合した賦形剤で調製されている。結晶乳糖の大きな結晶は、篩過によって顕著に小さくなることが認められ、さらにこの結晶乳糖は乳鉢と乳棒による混和では、容易に粒子径が小さくならないことが示された。


1)第十四改訂調剤指針増補版 日本薬剤師会編 令和4年8月8日

2)中村均ら:病院薬学 23(4),305,1997. 

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