質疑応答
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福岡県薬会報に掲載している「情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介」事例です。
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難消化性デキストリンには、血糖に対する作用があるか?(一般)
食品・健康食品 |
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年月 | 2015年6月 |
難消化性デキストリンは、加熱処理した馬鈴薯デンプンやトウモロコシデンプンをアミラーゼで加水分解し、未分解物より難消化性成分を分取して調製した水溶性食物繊維で、整腸作用、糖や脂肪の吸収遅延作用等がある。「おなかの調子をととのえる」「食後の血糖値の上昇を穏やかにする」「食後の血中中性脂肪が上昇しにくい」等の特定保健用食品等に使用されている。食事と一緒に摂取することで、小腸上部における管腔からの二糖類以上の糖質や炭水化物の消化吸収を抑制し、食後の血糖値上昇を遅延する。
一方、難消化性デキストリンの継続摂取により、空腹時血糖値が低下傾向を示した報告がある(表)。これは難消化性デキストリンが食後血糖値上昇を緩徐化した結果、インスリン必要量が低減して糖代謝の改善が図られたことによる二次的な作用と考えられる。
表 摂取前後の空腹時血糖値(㎎/dL)の変動
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摂取前 |
摂取後4週目 |
摂取後8週目 |
摂取後12週目 |
摂取中止後8週目 |
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空腹時血糖値 |
113.7±13.5 |
109.5±15.7* |
107.2±13.8* |
105.5±13.4* |
103.9±13.9* |
糖尿病境界域および境界域周辺の高血糖(空腹時血糖値100~130㎎/dL)を示す成人男性(10例)に12週間反復投与
*:p<0.01 摂取前との有意差(Student-t検定)
水嶋 昇ら:健康・栄養食品研究 3(3),1,2000.より