オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤に関する
Q&A
令和6年11月30日に開催された「オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤に関する研修会」にて
いただいたご質問に対する回答です。
※匿名でのご質問については回答しておりません。予めご了承ください。
※一部の質問については、質問者へ個別回答いたします。
Q1.オンライン診療でない院外処方の場合は研修を受けていない薬剤師の調剤でも可能ですか?
A:対面診療により発行された処方箋の調剤に関しては、薬剤師の研修については規定はありませんが、オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤を行う際には本研修会受講の必要があります。診療方法(対面・オンライン)を問わず調剤が行える体制整備のためには、本研修の受講が求められます。
Q2.研修を受けた薬剤師が不在の場合、他の店舗薬剤師が調剤して渡すことは可能ですか?
A:処方箋を受けた薬局の薬剤師でなければ調剤して渡すことはできませんので、研修を受けた薬剤師が不在の場合は処方箋を受けることができません。研修を受けた薬剤師がいる店舗へ依頼をする必要があります(店舗間での依頼は不可)
Q3.複数の薬局に勤務する場合、それぞれの薬局で研修を受けた薬剤師としてオンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤を行うことは可能ですか?
A:1人につき1薬局の登録とされており、複数の薬局に勤務されている薬剤師は、最も在籍時間が長い薬局にて登録し、その薬局でしか対応できません。
Q4.緊急避妊薬を処方してもらい、薬を渡す時点で72時間以上経過していたら、一応薬を服用していただいた上ですぐに産婦人科の受診を進めるのでしょうか? それとも3週間後の受診でよいでしょうか?
A:LNG-ECPの投与については、日本の添付文書では72時間以内となっていますが、120時間までであれば効果が期待できます。しかし、72時間以上経過後の服用では著しく効果が低下するため、その旨を十分説明し、速やかに産婦人科医の対面診療を受診するように伝えてください。
Q5.3週間後の受診を勧められますが、3週間後に受診が出来なければいつまでに受診するように勧めればいいのでしょうか?
A:妊娠の可能性について説明し、3週間後の妊娠反応検査および出来るだけ速やかに産婦人科を対面受診することを勧めてください。
Q6.緊急避妊薬を服用後、2時間以内に嘔吐し、患者も再度服用を希望する場合、疑義照会により1錠追加処方は可能でしょうか?
A:医師は1錠しか、処方できません。疑義による追加は不可です。患者が再度オンライン受診→処方箋発行→再度調剤薬局内で内服の手順となります。
Q7.レボノルゲストレルを投薬する際のチェックリストに併用薬がないか確認するとありましたが、併用してはいけない薬剤にはどのようなものがありますか?
A:併用注意には、抗けいれん薬:フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルバマゼピンHIVプロテアーゼ阻害剤、リトナビル非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、エファビレンツリファブチンリファンピシンセイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品です。本剤の効果が減弱する おそれがあります。これらの薬剤は肝の薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられます。【レボノルゲストレル錠添付文書参照】
Q8.異所性妊娠のよくある初期症状はどんなものがありますか?
A:異常とはいえ、妊娠が成立するため無月経となりますが、月経不順の女性では判断が難しく、不正出血を認めることも多いので、不正出血を月経と勘違いしている患者さんもいます。そのほかの初期症状として、つわりのような吐き気を感じることもありますが、全く無症状の場合もあります。ただ、気を付けなければならない症状は、腹痛です。卵管などの弱い部分で妊娠が成立すると、妊娠の進行によって破裂が起こってしまい、お腹の中で大量出血が発生し、最悪の場合には出血性ショックで死亡してしまう可能性もあります。こうした腹腔内出血は、外からの見た目では分からず、腹痛やお腹の張った感じが初期の症状となります。
Q9.価格設定は明示しないとのことでしたが、全国の平均的な価格などご教示ください。
A:緊急避妊薬試験販売(緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業(厚生労働省医薬局医薬品審査管理課委託事業)において「緊急避妊薬の購入費用(7.000円~9.000円程度)は、購入者負担です」と明記されております。価格は薬局で決めていただく必要がありますので、参考にされて、適正価格での販売をお願いいたします。
Q10.お薬手帳への記載は問題ないでしょうか?
A:お薬手帳への記録は、患者の状況に配慮したうえで、慎重に判断してください。